2024-01-31 11:30:00

ミニ大通の窓辺から 2024

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【花のレッスン、色々】

花のレッスンには、技術を学びたい、資格やデュプロムを取得したいなど様々な目的がありますが、楽しみ続けることも大切です。ご要望にお応えするうちに色々増えましたので、少しまとめてみましょう。

 

まずは、レギュラーレッスン。事前に公開したプログラムに沿って、火木土に行います。スペシャリテはその豪華版です。

 

続いて、ショートレッスン。随時開催で、その時、店内にある花材で作ります。見本の製作はありません。

 

そして、市場レッスン。朝、市場で花を選び、店に戻ってブーケを作ります。市場見学付のレッスンです。花屋気分も味わえ、ちょっとした特別感があります。

 

最後は、ナイトレッスン。日中は時間が合わない方のために新設しました。平日19:00から行います。お仕事帰りの新たな楽しみです。(2024.1)      

 

 

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【フリチラリアについて】

舌を噛みそうな名前のフリチラリアは、ラテン語でサイコロを入れる箱というほどの意味で、碁盤の目模様の花弁からそう呼ばれています。西アジア原産で16世紀にヨーロッパへ伝わり、その後、オランダ花卉画の名脇役となりました。

 

その種類も豊富で、この写真のメレアグリスという品種が多く出回っています。花と葉のバランスが良く、単一で飾っても十分美しいのですが、この季節はヒヤシンスと合わせてみたいもの。オリエンタル風な仕上がりとなるでしょう。

 

ちなみに、開花時期も原産地も異なるバイモユリやクロユリもフリチラリアの仲間です。模様のある花弁や下向きに咲くベル状の地味な花姿、そして鱗茎を食用にすることなど、その特徴には類似点が多くあります。(2024.2)

 

 

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【アソートについて】

先月から、ご自宅で花を楽しむ仕掛けとして、花材をあらかじめ組み合わせたり、取り揃えて販売するアソートを始めました。ブーケとの違いは、束ねていないことで、2種類のアソートをご用意しております。

 

ひとつは、「四月の花器、花材アソート」といって、ツェツェの四月の花器にそのまますぐに飾っていただけるものです。とはいえ、花材はバランスよく切り揃えてのお渡しですから、他の器でも楽しむことができます。 

 

もうひとつは、レッスンの仕入れに合わせて手配するものです。たとえば、今月の「チューリップ、アソート」の場合、風変わりなものや希少性の高いものなど、様々な品種のチューリップに出会うことができます。アソートならではの楽しみ方です。(2024.3)

 

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【スズランの器付ブーケ】

申すまでもなく、5月1日はスズランの日といって、この日にスズランを手にした人には幸運が訪れるという伝承があります。何でもフランスでは、誰でもスズランを売っても良い日だそうで、確かに、昔観た映画の中で、そんな場面があったかもしれません。

 

また、スズランにはもうひとつ特筆すべきことがあって、その釣鐘状の白い花数に決まりがなく、中でも、13個はより幸せだといいます。長年、この花を束ねる度に数えておりますが、確かに、100本のうち、2、3本見つかれば良い方でしょうか。

 

さて、今年のスズランのブーケは4月30日(火)と5月1日(水)、店頭に並びます。写真の器付は¥5,500、小さい束なら¥1,500です。今年も皆さんに幸運が訪れますように。(2024.4)

 

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【グラミネについて】

グラミネとはフランス語で草というほどの意味で訳されますが、もっとわかりやすくいえば、イネ科植物の総称です。たとえば、花屋で売られているパニカム、ホルデューム、ワイルドオーツ、ススキなどはこれにあたります。

 

また最近では、この写真のように、名前がついていないグラミネも花市場で出回るようになりました。近年、シャンペトルと呼ばれる田園風のブーケが注目を浴びるようになり、多くの花屋がそういったブーケを作り始めたことが要因なのかもしれません。

 

この傾向、私にとっては嬉しいことで、これからの季節、ブーケ作りがより楽しくなるのいうまでもありません。早速、写真のグラミネは今月のレッスンで使ってみるつもりです。乞うご期待。(2024.5)

 

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【夏至のブーケ】

 

聖ヨハネの誕生を祝う夏至祭にちなんで作る夏至のブーケは、夏至の頃に摘み取られた、太陽の光をたっぷり浴びた草花を用います。聖ヨハネの草とも呼ばれ、特別な自然の力が備わっていると信じられているからです。

 

その代表がセントジョーンズワートで、日本では西洋オトギリソウといいます。古代ギリシアから知られる憂鬱を解放してくれる薬草です。花屋で見かけるヒペリカムやビヨウヤナギは近縁種で、どちらも葉が異なりますが、花や実は似ています。

 

写真は、アネモネ・バージニアナ、カモミール、ノコギリソウなど、聖ヨハネの草による夏至のブーケです。その作り方は動画で公開しておりますが、今月は、夏至の日のナイトレッスンで、実演してお伝えいたします。(2024.6)

 

 

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【ラベンダーのサシェ】

 

北海道中富良野町で収穫されたラベンダーの蕾を丁寧に摘み取って、手のひらほどの綿紗袋に、50gを詰め込んだのがラベンダーのサシェです。これは昨年から作り始めたもので、ラベンダーのタンバルの副産物でもあります。

 

サシェとはフランス語で匂い袋というほどの意味です。殺菌や虫除けとして実用性があるばかりか、クローゼットや引き出し、鞄の中に入れたり、洗い立てのタオルに挟んだりして、心を豊かにする知恵でもあることはいうまでもありません。

 

ラベンダーのサシェはおひとつ、1,100円。今月の下旬から店頭に並びます。ちなみに、ラベンダーの香りには安眠効果が期待できるそうです。昨年、寝苦しい真夏の夜に、このサシェを枕元に置いて何度助けられたことか。(2024.7)

 

 

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【ブーケ・イスパハン】

2018年からレッスンのプログラムに登場したブーケ・イスパハンは、この写真のように、丸弁ロゼット咲きのバラ、ショコラ・ロマンティカを主役に、フランボワーズ、ブラックベリー、ミントを組み合わせた8月のブーケです。

 

イスパハンとは、世界遺産イマーム広場があるイラン中部の都市名で、古代ペルシアの時代からバラの街として知られています。19世紀にはロマン派の作曲家、ガブリエル・フォーレによって歌曲「イスパハンのバラ」が作られたほどです。

 

また、イスパハンという品種のオールドローズがあって、パティシエのピエール・エルメが、ローズシロップを使ったマカロンにイスパハンと名付けたのも、このオールドローズの品種名からだったと記憶しています。(2024.8)

 

 

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 【ナイトレッスンについて】

ご要望が多かった日没後の夜7時から行なっているナイトレッスンは、今年から加わったプログラムで、かれこれ半年が過ぎました。主に月に一度、金曜日に行なっていて、お仕事帰りのご参加が多い印象です。

 

この写真が示す通り、自然光が差す昼間のレッスンとは趣が変わり、照らし出された花や葉の輪郭が浮かび上がる店内は舞台装置の雰囲気を醸し出します。夜のミニ大通は静寂な森の佇まいとなりますから、よりブーケ作りに集中できるかもしれません。

 

ナイトレッスンはお一人様6,600円から。先月はヒマワリ、今月はダリア、来月はバラという具合に、特にテーマは設けず、月替わりで旬の花を束ねることにしております。(2024.9)

 

 

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【近ごろのダリア】

ちょうど今から10年前のこの欄で、さまざまな品種のダリアが花屋に並ぶようになって驚いていることを述べました。その後はといえば、生産者も増えて多種多様なダリアが秋の市場を彩る状況で、名前を覚るのも大変です。

 

ただこれは、ブーケを作る上でとても良い傾向だとも思っています。冬のラナンキュラス、春のシャクヤク、夏のバラ、秋のダリアというように、その花の種類が増えるということは、季節の主役がはっきりするからです。また、束ねる楽しみも当然広がってきます。

 

たとえば、この写真のように、淡い色合い同士で組み合わせることも近ごろは簡単に出来るようになりました。この日は、ルル、シルキー、深山吹雪の3種類。とはいえ、ダリアを束ねる難しさは一向に変わりません。(2024.10) 

 

 

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【マジックアマリリス】

今からちょうど2年前、お客様からのお問い合わせで初めて知ったのが、マジックアマリリスです。何でも特別に選別された球根で、室温が18度以上あれば水なしで成長して開花するといいます。オランダから届いたその球根は拳ほどの大きさがあるではありませんか。

 

錬金術師に騙された気分で、昨年一昨年と販売したところ、全てのお客様から何もせずに開花したという声をいただき一安心。その名の通り、魔術的に手をかざす程度で、入荷してから6週間ほど経つと咲いてくるというけです。

 

ひとつの球根から2本順に茎が出ますから、咲いてからも長く楽しめることでありましょう。今年も11月下旬頃から販売予定で、取り扱う花の色は白になります。場合によっては八重咲も入荷するかもしれません。(2024.11)

 

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【稲穂飾り】

稲穂は、新年の始まりに家々を訪れる歳神様を迎える目印として飾られる縁起物です。豊穣や家の守護を祈る意味があり、場所を示す役割も果たします。

 

そこで、この秋に思いついたのがこの稲穂飾りです。既存の松飾りと同様に茎を藁で覆っています。紫稲も加えた2種類は、新たなお正月飾りといったところ。

おひとつ、800円。

 

さて、お陰様でミニ大通に根を付けて17年が経ちました。皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです。来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 

えっ、このコラムの冒頭のくだりは、AIによるものでしょうって?まあ、そんなことはいいっこなしよ。(2024.12)